自己破産できる金額の目安はいくらから?
自己破産できる金額の目安がいくらからかは、年収、支出、借金総額のバランスで変わります。自己破産できる基準に当てはまるかどうかチェックするための方法について解説しています。
自己破産できる金額の目安を計算
借金の返済に困窮してはいるものの、何とか返済できるレベルの借入なのか、もう自己破産するしか生活を立て直す方法はないのか、自分では判断できないという人が殆どです。
だからこそ、目先の返済金を賄うために、あらたにキャッシングを行ったりするのですね。
実際の判断は、弁護士に相談の上で慎重に検討する事をおすすめしますが、当サイトでも自己破産できる金額の目安であれば解説できますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
自己破産できる金額には基準がありますが、収入、支出の状況によって、金額は異なります。
ですので、それぞれの目安となる金額を計算する必要があるのです。
自己破産の目安チェック、以下のようにいくつかのステップに分けて行います。
自己破産できる金額の目安の計算ステップ1.家計状況チェック表の作成
家計状況チェック表は、生活における収入と支出を確認、返済可能額を算出するためのものです。
収入の欄には給与・賞与・児童手当など、支出に欄には家賃・光熱費・食費など漏らさず記入します。
毎月は発生しない収入や支出は、年間金額を12等分して記入します。
月々の資金繰りはまた別物になりますが、平均してどの程度の金額なら返済が可能なのかを算出する目安になりますので、記入漏れのないように注意して下さい。
家計状況チェック表
収入 |
支出 |
||
費目 |
金額 |
費目 |
金額 |
収入計 |
円 |
支出計 |
円 |
返済可能な金額は?
返済可能額 = 収入計 - 支出計
自己破産できる金額の目安の計算ステップ2.借入状況チェック表の作成
借入状況チェック表は、自分がいくら借金をして、今どれくらい借金が残っていて、毎月いくら返済金額が必要なのかを整理する為のものです。
自己破産を検討している人の多くが、自分の借入状況を正確に把握していません。
借入金をきちんと管理できていない為に、返済に困窮する事態になっているという事も考えられますので、この機会に一度全て整理してみましょう。
キャッシング等で、貸し借りを繰り返している場合は、最終時点の情報を入力します。
例えば、契約日=最終借入日、借入額=最終借入時の残高・・といった具合です。
借入状況チェック表
借入先 |
契約日 |
借入額 |
利率 |
借入残高 |
約定返済額 |
合計 |
円 |
円 |
円 |
返済に必要な金額は?
本来であれば、約定返済額の合計が返済に必要な金額なのですが、自己破産を検討する場合はここから更に、「利息制限法に基づく引き直し」が必要になります。
自己破産する人の多くは、クレジットカードや消費者金融などでの高金利の借金をした経験があります。
平成18年の法改正以前のキャッシング利率は、利息制限法を超えているものが殆どですので、「利息制限法に基づく引き直し」を行う事で、借金の残高を圧縮する事ができるのです。
キャッシング等の高利の借金経験が無い人は、「自己破産の目安の金額は?」へ進みましょう。
自己破産できる金額の目安の計算ステップ3.金利の計算方法を覚える
金利の計算式
引き直しを行う前に、まず金利の計算式を覚えましょう。
以下が、金利の計算式です。
金利 = 借入残高 × 利率 × 利用日数 ÷ 365(閏年の場合は366)
金利の計算例
50万円を15%の利率で、30日間利用した場合の金利を計算してみます。
500,000 × 0.15 × 30 ÷ 365 = 6,164
毎月の返済金額は2万円だとしたら、その内の6,164円が金利というわけです。
金利計算は、こういった形で借入日、約定日、実際の返済日を区切りとして、一つ一つ計算を行います。
引き直し計算の場合は、利率を利息制限法の上限利率に置き換えて再計算を行い、金利の差分を元本に充当する複雑な計算となります。
利息制限法の上限利率は、次項の表をご参照下さい。
利息制限法での上限利率
借入金額 | 通常利率の上限 | 遅延損害金利率の上限 |
100万円以上 | 15% | 21.90% |
10万円以上100万円未満 | 18% | 26.28% |
10万円未満 | 20% | 29.20% |
自己破産できる金額の目安の計算ステップ4.引き直し計算する
それでは、例として簡単な引き直し計算を行ってみましょう。
1月1日に、通常利率29%、遅延損害利率金利率29%、約定返済日10日で、50万円を借入。
2月10日正常入金、3月15日に延滞入金、4月1日に60万円追加借入、4月10日に正常入金した場合の計算例です。
借入条件での金利計算
借入日/返済日 | 借入額 | 返済額 | 利率 | 利用日数 | 支払利息 | 残高 |
1月1日 | 500,000 | 500,000 | ||||
2月10日 | 20,000 | 29% | 40 | 15,890 | 495,890 | |
3月15日 | 20,000 | 29% | 33 | 13,002 | 488,892 | |
4月1日 | 600,000 | 1,088,892 | ||||
4月10日 | 40,000 | 29% | 17 | 6,603 | 1,063,282 | |
29% | 9 | 7,786 |
利息制限法での金利計算
借入日/返済日 | 借入額 | 返済額 | 利率 | 利用日数 | 支払利息 | 残高 |
1月1日 | 500,000 | 500,000 | ||||
2月10日 | 20,000 | 18% | 40 | 9,863 | 489,863 | |
3月15日 | 20,000 | 18% | 28 | 6,764 | 478,391 | |
26.28% | 5 | 1,764 | ||||
4月1日 | 600,000 | 1,078,391 | ||||
4月10日 | 40,000 | 18% | 17 | 4,011 | 1,046,390 | |
15% | 9 | 3,989 |
引き直し計算の結果
短い期間での例ですが、再計算を行った結果、残元本の差は16,892円です。
こういった取引を何年間も行っていた場合は、どうでしょうか?
大幅に借金の金額が減って自己破産する必要などなくなるかもしれません。
取引が長期間に及んでいる場合、自己破産どころか、払い過ぎていた金利が逆に帰ってくる場合すらある為、自己破産するかどうか判断する前に、まず引き直し計算を行う事が必要なのです。
とは言え、複数の借入先がある場合、過去の取引全ての引き直しを行うのは大変です。
弁護士事務所では、借入・返済の履歴を入力するだけで、自動で引き直しを行うソフトなどを導入していますので、弁護士事務所へ依頼する事をおすすめします。
自己破産できる金額の目安の計算ステップ5.3~4年で完済できる?
慣れない利息の計算など、大変でしたよね。
長々と解説して来ましたが、いよいよ自己破産が必要かどうかの目安です。
自己破産は、以下の判定法を目安として検討しましょう。
引き直し後残高 ÷ 返済可能額 ÷ 12 = 3~4年超
引き直し後の借金の金額を、3~4年以内に完済できるかどうかが、自己破産をするかどうかの判断の目安となります。
この期間で完済できる目途が立たなければ、破産手続きを勧められるでしょう。
逆に、この期間内で完済できる金額であれば、自己破産ではなく任意整理や特定調停などの債務整理方法で借金を解決できる場合が多いのです。
自己破産は、全ての借金を帳消しにできる唯一の方法ですが、申請さえすれば誰でも認められるわけではありません。
債権者にとっては大損となる制度ですので、基準や制限などが厳格に決められています。
また自己破産はデメリットよりメリットの方が大きくなってはいますが、破産せずにすむならそれに越した事はありませんので、慎重に判断を行いましょう。
宜しければ、こちらも参考にして下さい。
参考:自己破産デメリット(仕事・職業 海外旅行,家族,財産,ブラックリスト)
自己破産はいくらからできる?基準はある?
裁判所で免責許可を得るための基準は以下の2つです。
- 借金返済が不能な状態であること
- 免責不許可自由に該当しないこと
1番目の「借金返済が不能な状態であること」について、自己破産できる目安の金額で判定できたと思います。
2番目の「免責不許可自由に該当しないこと」について、簡単に基準を説明すると、以下が該当します。
- 財産の隠匿行為
- 虚偽の申請
- 特定の債権者を優遇した返済行為
- ギャンブルにより借金
- 投資による借金
- 返済意志のない借入
- 前回の免責許可から7年以内
自己破産で免責不許可となる基準については、以下のページで詳しく解説しています。
よろしければ参考にしてください。
参考:自己破産の免責がおりなかった事例と免責不許可の確率ブログ
自己破産できる金額か弁護士に相談
自己破産手続きは、弁護士に依頼される方が殆どだとおもいますので、借りている金額の目安も含め、その後の生活に不便がないように、事前に相談しておきましょう。
とは言え、いきなり弁護士事務所に依頼をするのは勇気も必要ですよね。
当サイトでは、まずは「借金減額診断シミュレーター」の利用をお勧めしています。
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債務整理の種類には、「自己破産」以外にも「任意整理」「特定調停」「個人再生」等があります。
当ブログでは、自己破産の制度、自己破産後の生活について、わかりやすく解説しています。
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