マンション売却にかかる税金シミュレーションの知識
このページでは、中古マンション売却益にかかる譲渡所得税の税金計算方法、簡単にできる税金シミュレーションについて解説しています。
所有するマンションを売って売却益が出たら、譲渡所得税をはじめとして各種税金がかかります。
特例、軽減税率、特別控除などの税金の軽減措置はありますが、計算も複雑なので素人には分かりにくいものです。
実際にいくらかかるのかを簡単に調べたいなら、三菱UFJ不動産販売の公式サイトで計算・シミュレーションできます。
以下、税金の計算・シミュレーションについて参考にしてください。
マンション売却にかかる税金シミュレーションの概要
利用料は無料、完全匿名で簡単に税金、手取り額など計算することができます。
入力が必要な項目は、以下の4項目だけです。
- 売却価格
- 取得費
- 諸経費
- 所有期間
マンション売却にかかる税金シミュレーションの結果
試しに、自分のマンションを売却したい際の税金について、計算してみました。
売却価格:2090万円
取得費:1750万円
諸経費:75万円
所有期間:居住用5年以内
譲渡益の計算
売却価格-(取得費+仲介手数料+諸経費+印紙代)= 譲渡益
2,090 -(1,750+74.2+4+1.0)=260.8万円
譲渡税の計算
(譲渡益-特別控除)×税率(所得税+住民税)=譲渡税
(260.8 - 3,000)× 39.63%(30.63%+9%)=0万円
入力は簡単で1分もかかりませんでした。
注意点として、この計算シミュレーションは、万円単位ですので、1円単位での正確な試算はできません。
マンション売却にかかる税金シミュレーションの用語
税金の計算に必要な売却価格と所有期間は明白ですが、取得費と諸経費の範囲が分からない人は、以下を参考にしてください。
取得費
- 土地や建物などの購入代金、建物の建築費(借地権を売却したときは、借地権設定時の権利金など)
- 仲介手数料
- 印紙代
- 登録免許税
- 不動産取得税
- 登記費用
- ローン保証料 など
諸経費
- 仲介手数料
- 登記費用
- 測量費用
- 取り壊し費用 など
マンション売却にかかる税金シミュレーションのURL
三菱UFJ不動産販売の公式サイトのURLは以下の通りです。
個人情報の登録なども不要などで気軽に計算・シミュレーションできますよ。
マンション売却にかかる税金は所得税、住民税、印紙税
マンションを売却すると税金が掛かるので、手元に残したい金額があるなら、納税額を考慮して売却額を設定する必要があります。
税金の種類は3種類、所得税、住民税、印紙税です。
居住用マンションの場合、単純な税額の計算だけではなく、特別控除、軽減税率などの特例を用いて節税が可能です。
ここでは、税金、特別控除、軽減税率について解説しています。
マンション売却にかかる税金1.譲渡所得税
マンション売却金額が、購入金額よりも高かった場合、利益(所得)を得たことになりますので、譲渡所得税が掛かります。
税金の計算は複雑で法律も頻繁に変わりますので、利益が出る場合は税理士に相談しましょう。
尚、以下のようなケースであれば、譲渡所得税は掛からないので、考慮は必要ありません。
ポイント2.居住物件を売った利益が、3000万円+掛かった費用以下
こういったケースでは所得税は不要です。
ポイント2は、「自分が住んでいた」というのが重要です。
これは税法上の特例で、転居後にも適用されますが、売却は転居後3年以内である必要があります。
マンション売却にかかる税金2.住民税
住民税も、所得税と同様に、マンション売却で利益が出た場合のみ掛かります。
マンション売却にかかる税金3.印紙税
契約を締結するため、契約書には印紙を貼る必要があります。
尚、平成30年3月31日までは、軽減税率が適用されます。
契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
---|---|---|
10万円を超え 50万円以下 | 400 | 200 |
50万円を超え 100万円以下 | 1,000 | 500 |
100万円を超え 500万円以下 | 2,000 | 1,000 |
500万円を超え1千万円以下 | 10,000 | 5,000 |
1千万円~5千万円以下 | 20,000 | 15,000 |
5千万円を超え 1億円以下 | 60,000 | 45,000 |
1億円を超え 5億円以下 | 100,000 | 80,000 |
5億円を超え 10億円以下 | 200,000 | 180,000 |
10億円を超え 50億円以下 | 400,000 | 360,000 |
50億円を超える | 600,000 | 540,000 |
マンション売却にかかる税金は購入5年以内だと税率が上がる
マンション売却にかかる税金の内、所得税と住民税は、購入してから売却するまでの期間(保有期間)が5年を区切りに税率が違います。
5年の保有期間とは、実質的な期間ではなく、マンションを売却した年の1月1日時点での期間ですので、注意が必要です。
以下の表は、マンションを売却するまでの保有期間と税率の一覧です。
保有期間 | 5年以下 | 5年超 |
所得税率 | 30% | 15% |
住民税率 | 9% | 5% |
マンション売却にかかる税金には3000万円の特別控除がある
居住用のマンションを売却した場合、3000万円の特別控除の制度があります。
特別控除の適用要件を満たしていれば、税金の負担を大幅に減らすことが可能です。
マンション売却にかかる税金の3000万円特別控除と計算方法
以下は、計算式です。
課税譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円
マンション売却益にかかる税金の3000万円特別控除の適用要件
- 自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。なお、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年目を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
- 売った年の前年及び前々年にこの特例の適用を受けていないこと。
- マイホームの買換えやマイホームの交換の特例若しくは、マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。
- や敷地について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。
- 災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地を住まなくなった日から3年目の年の12月31日まで売ること。
- 売手と買手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと。
出典:国税庁
マンション売却にかかる税金の軽減税率の特例
所有期間10年超の居住用マンションを売却した場合は、軽減税率の特例があります。
しかも、この軽減税率は3000万円の特別控除と併用できるので、税金を軽減できる大変有利な制度です。
居住用不動産を売却した場合の軽減税率
課税譲渡所得 | 所得税 | 住民税 | 税率計 |
3,000万円特別控除後の譲渡所得のうち6,000万円以下の部分 | 10% | 4% | 14% |
3,000万円特別控除後の譲渡所得のうち6,000万円超の部分 | 15% | 5% | 20% |
居住用不動産を売却した場合の軽減税率の適用要件
- 日本国内にある自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地を売ること。
なお、以前に住んでいた家屋や敷地の場合には、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
また、これらの家屋が災害により滅失した場合には、その敷地を住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。 - 売った年の1月1日において売った家屋や敷地の所有期間がともに10年を超えていること。
- 売った年の前年及び前々年にこの特例を受けていないこと。
- 売った家屋や敷地についてマイホームの買換えや交換の特例など他の特例を受けていないこと。
ただし、マイホームを売ったときの3,000万円の特別控除の特例と軽減税率の特例は、重ねて受けることができます。 - 親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと。
出典:国税庁
マンション売却に税金はかからなくても確定申告は必須
マンションを売却して利益がでたら確定申告する必要があります。
3,000万円の特別控除で税金がかからない場合でも、確定申告の手続きは必要です。
マンション売却の税金を確定申告しないと税務署にばれる?
知らなかったでは、税務署は許してくれません。
様々な特例も、確定申告が前提となっているので、注意してくださいね。
またよくある質問として、マンション売却で確定申告せずに税金を払わないと税務署にばれるのかというのがあります。
これは、かなり高い確率でばれると思います。
マンション売却の税金を払うか税務署は監視している!
まず、税務署は不動産取引のほとんどを把握しています。
不動産を所有すると固定資産税がかかりますよね?
ということは、税務署は不動産の所有者が誰であるか把握しているということになります。
マンションを売却すると税務署から「譲渡内容についてのお願い」とった文書や電話などで、取引内容を確認される場合もあります。
売買だけして登記を行わなければ税務署が気付かない可能性もありますが、マンションを売却して登記しない場合はほとんどないと思います。
ということで、確定申告は必ず行いましょう。
中古マンションを相場より高く売るには? マンション売却の知識では、売却のコツ、売れやすい時期、内覧の注意点、仲介手数料、税金、確定申告など、詳しく解説しています。
マンション売却の知識